つみたてNISAでコツコツとインデックス投資を続けてきた方の中には、こんな悩みを感じ始めている方も多いのではないでしょうか。
「このまま積立投資だけで、本当に老後までに十分な資産がつくれるのかな?」
「評価額は増えてきたけど、いまいち実感がわかない…」
「そろそろ個別株にもチャレンジしてみたいけど、どこから始めればいいのかわからない…」
そんな方におすすめしたいのが、配当や安定収益が期待できる長期保有向きの国内株式という選択肢です。
こうした銘柄は、株を保有しているだけで年に1〜2回、配当金という形で現金収入(インカムゲイン)が得られる点が魅力です。
たとえば、配当利回りが3%の株を100万円分保有していれば、年間で3万円の配当金を受け取れる計算になります。
インデックス投資と異なり、目に見えるリターンが得られることで、資産形成の実感やモチベーションにつながりやすいのも特徴です。
ただし、やみくもに利回りだけで選ぶのはリスクがあります。
なかには業績が不安定だったり、減配リスクが高い企業もあるからです。
そこで本記事では、「配当+事業安定性」を重視し、長期保有にふさわしい国内株式7銘柄を厳選しました。
つみたてNISAで資産形成の守りを固めた方が、次のステップとして余剰資金を活用し、少しずつ安定収益を得る攻めを取り入れる。そんな資産形成に役立つ情報をお届けします。
「安定配当×業績安定」で選ぶ!長期保有におすすめの国内7銘柄
今回ご紹介するのは、「安定した配当収入と業績の安定性」を重視した、長期保有におすすめの国内7銘柄です。
いずれも、初心者でも比較的安心して保有しやすく、長期目線でじっくりと資産を育てていきたい方にぴったりの企業ばかり。
共通する特徴は次のとおりです。
- 安定した配当収入が期待できる
- 業績が安定し、財務体質が健全
- 減配リスクが低く、長期投資向き
「配当+業績安定」で、資産形成を着実に進めたい方にとって、有力な選択肢となる銘柄を厳選しています。
銘柄名 | 配当利回り(25年7月17日終値) | 事業特徴 |
---|---|---|
KDDI | 約3.26% | 通信インフラ・安定成長 |
オリックス | 約3.65% | 多角化経営・安定配当 |
三菱HCキャピタル | 約4.11% | リース大手・財務健全 |
伊藤忠商事 | 約2.64% | 商社・安定した成長・還元強化 |
花王 | 約2.31% | 生活必需品・安定収益・減配リスク低 |
NTT | 約3.52% | インフラ基盤・安定収益・増配余地 |
JT | 約4.47% | 海外事業・高配当安定 |
なぜ今、配当と安定性を重視した長期保有銘柄が注目されるのか?
つみたてNISAを活用したインデックス投資は、資産形成の王道として広く知られています。
特に初心者にとっては「長期・積立・分散」というシンプルかつ再現性の高い方法として定着しています。
しかし、つみたてNISAはあくまで「資産を増やす仕組み」であり、定期的に現金収入(インカムゲイン)を得られるものではありません。
この弱点を補う手段として活用したいのが、新NISAの成長投資枠です。
成長投資枠では、個別株やETFへの投資が可能なため、つみたてNISAとは異なるアプローチで資産形成を進めることができます。
その中でもおすすめなのが、配当や安定収益が期待できる企業への長期投資です。
成長投資枠なら「配当+資産成長」の両取りが狙える
成長投資枠では、個別株やETFなど、自由度の高い投資が可能です。
そのため、インカム(配当金)とキャピタル(株価上昇益)の両方を狙える運用がしやすい点が特徴です。
配当金を受け取りながら、企業成長による株価上昇も期待できる。
これは、つみたてNISAでは得にくい、新たな資産形成のステップと言えるでしょう。
配当+分散でリスクを抑えた運用ができる
「株式投資=ハイリスク」とイメージされがちですが、実際には分散を意識すればリスクは大きく軽減できます。
例えば、高配当株だけ、成長株だけに集中してしまうと、相場や景気環境次第で大きく資産が偏ってしまうリスクがあります。
しかし、両者をバランスよく組み合わせることで、安定収益と成長を両立した資産形成が可能になります。
特に、一定のインカムゲイン(配当金)が見込める銘柄を組み入れておくことで、相場が軟調なときでも安定したリターンが得られやすく、長期投資における「守り」として効果的です。
日本株は今が狙い目!株主還元重視が進んでいる
日本企業は近年、株主還元を重視する傾向が強まっています。
東証のPBR改革要請などを背景に、今後も配当性向(利益のうち配当に回す割合)は上昇傾向が続くと見られています。
また、日本株は米国株ほどの急成長は見込みにくい反面、安定した事業モデル・堅実経営をベースに、減配リスクの低い企業が多いという特徴があります。
景気後退局面でも配当を維持・増配する企業が増えており、個別株デビューのタイミングとしても今は好機と言えるでしょう。
次の一手は「安定収益×長期保有」で堅実に
つみたてNISAで資産形成の「守り」を固めたら、次は成長投資枠で「配当という現金収入」を得ながら、資産を育てるフェーズへ。
その第一歩として、今回ご紹介するような配当・事業の安定性を兼ね備えた国内銘柄は、初心者でも取り組みやすい選択肢です。
【具体例①】KDDI(9433)
- 株価:約2,455円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約3.26%
- 年間配当:80円
特徴と投資メリット
- 安定収益基盤
- auを中心とした通信インフラ事業が堅調で、30年以上不況に強い収益モデル。
- AI・IoT・エネルギーなどの新規分野も育成中で、中長期的な収益柱拡大の可能性あり 。 - 売上・利益は増加トレンド
- 2025年3月期の売上高は約5.9兆円(前期比+2.8%)、営業利益は約1.12兆円(同+16.3%)と増収増益を達成 。
- また2026年3月期もアナリスト予想では買い判定、平均株価予想は約2,652円と約8〜10%の上昇余地がある 。 - 連続増配&配当性向40%超維持
- 2026年3月期の配当80円は、24期連続増配予定で、一株配当(1株80円)は前年から+7.5円増 。
- 配当性向は42%前後で、財務余力に無理のない範囲で株主還元が可能 。
KDDIは高配当株としてだけでなく、通信に加えてAI・エネルギーといった新分野への展開を進めており、安定性+緩やかな成長期待の両立が可能と言えます。配当と株価の両面でリターンが狙える、バランスの良い銘柄です。
【具体例②】オリックス(8591)
- 株価:約3,291円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約3.65%
- 年間配当:120円
特徴と投資メリット
- 多角化で利益安定
- リース、不動産、環境インフラなど幅広い事業を展開し、景気変動の影響を吸収。
- 自社株買いにも積極的で、株主還元姿勢が明確です。 - 業績は増収傾向
- 2025年3月期は増配+安定成長。
- 配当利回りは平均的に3.5〜3.8%でありながら、財務面も健全です。 - 減配リスクが低い構成
- 配当性向約39%と無理のない水準で、業績悪化時にも支払い余力あり。
オリックスはリース、不動産、インフラなど事業の分散が進んでおり、景気変動にも強い安定収益基盤を持つ企業です。株主還元にも積極的で、今後も安定した配当が期待できます。守りと攻めをバランスよく併せ持つ、長期投資向けの優良銘柄と言えるでしょう。
【具体例③】三菱HCキャピタル(8593)
- 株価:約1,094円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約4.11%
- 年間配当:45円
特徴と投資メリット
- 安定財務×業績安定
- 三菱UFJフィナンシャル・グループの関連会社で、財務の安全性が高く、経済変動にも耐えやすい。 - 成長分野への対応
- 脱炭素・航空機リースなど、成長市場への投資も進行中。 - 高配当姿勢と増配期待
- 配当性向約42%で中期計画でも増配目標あり。
- 配当利回りは高水準を維持しています。
三菱HCキャピタルは、安定収益を生むリース事業を中心に据え、成長分野にも積極的に投資を行う企業です。財務基盤の強さと安定した高配当が魅力で、景気変動に左右されにくい資産運用先としておすすめできます。
【具体例④】伊藤忠商事(8001)
- 株価:約7,583円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約2.64%
- 年間配当:200円
🔍 特徴と投資メリット
- 商社の中で高い成長力
- 食品や生活消費分野が堅調で、ROEも国内商社トップレベル。 - 盤石の株主還元
- 配当+自社株買いの還元姿勢が強く、2025年は+40円増配予定。 - 長期的な安定成長銘柄
- 景気敏感度低く、原料変動の影響を受けにくい構造で、配当と業績の両方に期待できます。
伊藤忠商事は、総合商社の中でも成長力・収益性・還元姿勢で頭ひとつ抜けた存在です。資源価格に依存しない事業構造は安定性が高く、長期目線でじっくり配当と株価成長の両方を狙える企業と言えます。
【具体例⑤】花王(4452)
- 株価:約6,670円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約2.31%
- 年間配当:154円
🔍 特徴と投資メリット
- 生活必需品で安定経営
- 国内トップシェアの製品を保有し、景気の影響を受けにくい。 - 減配リスク低めの累進配当
- 配当性向約65%ながら累進配当を維持し続けており、減収期でも配当は安定。 - ブランド力と価格転嫁力
- 高価格帯の製品を扱うため、コスト増時にも転嫁できる強みあり。
- 安定狙いの長期保有に向いた銘柄です。
花王は生活必需品メーカーとして安定感は抜群。景気変動に強く、累進配当方針で減配リスクが低い点は長期投資家にとって魅力です。急成長は見込みにくいものの、資産の守りとして安心して保有できる銘柄です。
【具体例⑥】日本電信電話(NTT・9432)
- 株価:約150円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約3.52%
- 年間配当:5.3円
🔍 特徴と投資メリット
- 社会インフラの揺るぎない安定性
- 基盤事業である通信インフラの収益は極めて安定し、景気後退局面でも一定の利益を確保。 - 堅実な増配ペース
- 15期連続増配中、配当性向約43%で計画的な株主還元体制。 - 守りながら将来へ投資も継続
- AI・データセンター・海外展開など新分野への設備投資を進めており、堅実な収益構造の維持が可能。
NTTは通信インフラという安定事業に支えられ、配当+安定収益という「守り」の側面が非常に強い銘柄です。加えて、AI・データセンターなど成長分野への投資も進んでおり、中長期では配当+株価両面でリターンが期待できます。
【具体例⑦】日本たばこ産業(JT・2914)
- 株価:約4,338円(25年7月17日終値)
- 配当利回り:約4.47%
- 年間配当:194円
🔍 特徴と投資メリット
- 海外比率の高さが安定要因
- 売上高の約6割を海外市場が占め、為替を活用した安定収益構造。 - 累進配当&高利回りキープ
- 配当性向は約192%と高水準ですが、潤沢なキャッシュフローに支えられており、配当の安定性に不安はありません。 - 市場や規制の影響を織り込み済み
- 国内たばこ減少リスクは織り込まれており、安定配当が続く限り高配当株として有力。
JTは海外収益比率が高く、安定したキャッシュフローが魅力。累進配当+高利回りという特徴から、長期的なインカムゲインを目的とした投資に向いている銘柄です。たばこ株特有のリスクを理解したうえで、堅実な配当狙いに活用できます。
【まとめ】つみたてNISAの次は、安定収益を狙って長期保有したい銘柄を選ぼう
つみたてNISAを活用したインデックス投資は、資産形成の土台として非常に有効な手段です。
しかし、インデックス投資だけでは得られないメリットがあるのが、今回ご紹介したような「配当+安定性」を重視した長期保有銘柄への投資です。
本記事で紹介した7銘柄は、いずれも次のような特徴を備えています。
安定した配当収入が期待できる
年間数万円〜数十万円の安定した配当金(現金収入)が得られるため、資産形成を継続するモチベーションにつながります。
業績・財務が健全で、減配リスクが低い
成熟した事業モデルと堅実な経営により、景気後退局面でも安定した利益・配当が期待できます。減配リスクが低い点も安心材料です。
長期保有でじっくり資産が育つ
配当収入に加え、企業成長による株価上昇(キャピタルゲイン)も狙えるため、長期保有で着実に資産形成が進められます。
つみたてNISAで守りを固めた後は、成長投資枠を活用しながら「安定収益×長期保有」で資産を育てるフェーズへ。
今回紹介した銘柄を、その第一歩としてぜひ検討してみてください。
【初心者がやりがちなNG行動と注意点】
せっかく良い銘柄を選んでも、次のような行動をとってしまうと失敗につながりやすいので注意しましょう。
NG行動 | なぜダメ? |
---|---|
利回りだけで選ぶ | 極端に利回りが高い銘柄は、減配リスク・業績悪化リスクが潜んでいる場合も多い。 |
1銘柄に集中投資 | 分散が効かず、万が一の下落局面で資産が大きく目減りするリスクが高い。 |
定期チェックを怠る | 長期保有=放置ではない。業績悪化や減配兆候には都度対応する意識が必要。 |
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NISA成長投資枠にも対応し、以下のようなメリットがあります。
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